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インタビュー

Vol.3 癒しの達人小口直子さん バリ島のレストラン経営&セラピスト 


 

―――現在のお仕事と、それを始めた理由を教えてください。

バリのムングーで、3年半前からHijau Café&Warungというレストランをメインに、2年ほど前からRina’s Innというホームペンションの経営をしつつ、セラピストとしてロミロミセラピーもしています。

宿泊施設は自宅の1階にある2部屋を貸出して、私たち夫婦は2階部分に住んでいます。すべて同じ敷地内で、家の隣りにレストランがあるんです。

レストランを始めたきっかけは、目の前のロケーションが良かったから。海までずっと棚田になっていて、ブキット(ウルワツ)半島が見えるんですよ。こんな素敵な風景をみなさんに見せてあげたくて。

 

レストランで出すお食事は、ウエスタンやアジアンが中心です。昔、安曇野でマクロビオテックを提供するペンションで働いていたことがあるんです。そこで得た知識を少し取りいれながら、インドネシアのメニューとアレンジでして、健康的なお食事を出しています。

 

出来る限りオーガニックマーケットで手に入る物を使っていて、キャロットケーキやサラダはもちろんオーガニック。ホームメードケーキは砂糖、バター不使用です。ドレッシングやマヨネーズ、ベーコンも全部手作りで、化学調味料は一切使いません。

 

宿泊施設をやろうと思ったのは、レストランと同じく、景色が素晴らしいこともあるんですが、日本に住んでいる1人娘がこちらに来たときに、過ごせる部屋を1つ作ってあったんです。

そしてもう1部屋はセラピールームとして広めに作り、バスルームも完備していたので、まずゲストルームに変えて、娘用の部屋と併せて宿泊施設として貸し出そうというのが最初のきっかけです。

 

私がセラピストなので、宿泊のお客様がある時はインハウススパとして、空いているときはマッサージやトリートメントを受けられるセラピールームにしようと思ったんです。基本的には両方とも宿泊部屋なので、空いている方でセラピーをします。


 
―――セラピストになろうと思ったのはなぜですか?

人間って精神のバランスを崩すと身体にも影響が出て、病気となって出てきます。それを身近に見ていたので、人を癒せる仕事に就きたいと思ったからです。

私がやっているハワイのマッサージ・ロミロミは、お祈りから始めてお祈りで終わります。スピリチュアルなところにつながっているもので、始める前は自分を浄化させて、素の状態にしてから施術を始めます。

施術は力ではなくて自分の身体の体重をかけてするので、何人やっても疲れないんです。それどころか自分もエネルギーをもらって、気持ちよく爽快になるんです。人に施術をしながら実は自分も施術を受けたかのように身体がほぐれて、癒されるんですよ。だから私はロミロミが好きなんです。

 

―――小口さんにとって絆を感じるときはどんなときですか?

主人に助けられるときです。主人はバリ人なんですが、まず、バリ人と結婚したらバリヒンドゥーに改宗しなければいけないんです。

そして毎日のお供えやお祭り用に色々な物を用意します。

地域の自治会グループに入り、冠婚葬祭のお手伝いに参加するのですが、それがものすごく大変。普通は女性だけの仕事ですが、私は知らないことだらけなので、主人に教えてもらいながら助けてもらう時、絆を感じますね。

バリでは冠婚葬祭の儀式をものすごく大切にします。1つの行事が大きいので、家族も近所も関係なく、毎日のようにその家に入ってみんなで手伝わないとできません。自治体自体が絆の強い社会なんです。
 

―――行事はどれくらいの規模なんですか?

大きな行事は1ヵ月前から準備します。しかもお供えの量や数が半端じゃなく、トラックに何台分もあるんです。

男の人たちは力仕事、お供えのサテ(お肉)作りと、役割分担が決まっていてそれに参加しなくちゃいけないんです。

大きな仕事の他に、子どもの3か月の儀式や車を買った時など、家族を含めたご近所で、1年間に数えきれないくらい、行事の準備があります。
さらに、大きな自治体のお寺のお浄めとか。去年は30年に1回の大きな行事だったので、3ヵ月前から準備に入りました。中には仕事を辞める人もいるんですよ。宗教を優先するんです。お寺への奉仕活動ですね。それが普通に成り立っている国なんです。
 

―――お供えする物は何ですか?
 

普通はチャナンといって、色々な色の花と葉っぱを刻んだものを混ぜて、その上にお菓子を置き、それをヤシの葉で編んだ箱状の中に入れます。お供えは色々な形のものがあるので、常に教えてもらいながら手伝っています。そしてうちはお店をやっているので、お店や自宅を含めた敷地内の19ヵ所に毎日、お供え用のタバコやご飯を入れて、お供えします。

 

さらに地面の上にもお供えします。でも、これは普段のシンプルなお供えで、5日に1回のお供えもあります。

それはチャナンの下のお供えで、バナナの葉っぱにお花と葉っぱと色つきのご飯。満月の時は黄色と白、新月の時は白と黒のご飯です。さらに、2週間に1回のカジャンクリオンとよばれる日は、黄色と白を含む5つの色を混ぜたご飯を、地面の上にお供えします。これが、日常で、お供え物だけでもものすごく難しい。

結婚式用のお供えもたくさんの種類があって、ヤシの実の葉っぱでいろんな形を作って編んだりとか、手仕事がいっぱいあるんです。

宗教が中心で回っているので、日本にはない習慣もたくさんありますしね。行事のためにお店を閉めなければいけないときもあるんですよ。大変だけど、物を作るのが嫌いではないので、楽しんでいます。

 

―――小口さんにとって自分らしさとは?

今、自分が住んでいる環境や周りにいる人たちの中に身を置いていることが、自分らしくいられるし幸せだなって感じます。

例えば、お客さんを受け入れることや、困ったことがあったら助けてあげたり。日本にいると、人とのコミュニケーションがすごく薄いでしょ? 知ってる人でもうわべだけのコミュニケーションだったりして。

でもバリでは人と人がどっぷりコミュニケーションをとっていないと生きていけない社会なんです。誰かが困っているとみんなが寄って行って助けてあげる。その絆が良いんですよね。人と人との繋がりを大事にしているその中にいる自分が、自分らしくいられますね。

 

―――今後の目標は?

メインはレストランですが、宿泊施設の充実も図りたいですね。Rina’s Innは「Airbnb」というサイトに登録しているんですが、これは世界中の民間の、家や空いてる部屋を、世界中の旅人に貸して住むように暮らしてみようというサイトです。旅行から長期滞在まで、設定によって長短どちらでもOK。Rina’s Innの2部屋はここから申し込めます。私たちがホストという形ですね。フェイスブックのRina’s lnnもしくはwarunghijau11@yahoo.co.jpへ直接メッセージでお申込みいただくと簡単だと思いますので、こちらへどうぞ。

それからもう1つ。セラピーの施設を作りたいんです。我が家の敷地の前に、家族で持っている田んぼがあるんですが、そこに宿泊施設とは別に、独立させた形でセラピーや瞑想専用の建物を建てたいと思っています。田んぼの中の癒しの空間を作りたいな。

 

元々、オープンエアーで自然の風を感じながらセラピーをするのが夢だったんです。今住んでいるところは気の流れが良いと感じたんですね。自分がいて気持ちがいい。自然の風を感じながら壁のない常夏の島がいいなと思って。バリだからできることなんですよね。とにかく風が気持ちいいんですよ。

 

バリの気候は亜熱帯で1年中夏服で過ごせます。

乾季と雨季があって日本が夏の時はちょっと涼しくなるんですけど、それでも昼間は日差しが強くて暑い。朝夕風が強い時に少し肌寒くなる程度です。

 

―――小口さんにとってf♯とは?

海外に住んでいると中々参加できませんが、どんなことをやっているかはFBで拝見しています。皆さんが色々なイベントをされていて、何か目標を見つけようと集まっているという印象があります。いきいきとされていていいですよね。全然知らない方とでも輪を広げていこうというのは、素晴らしいことです。

その中で、もしご要望があれば、バリツアーを企画していらしていただければ、受け入れ態勢はバッチリ整っていますよ。

例えば、ヨガをしたりお寺に行って聖水をかぶって自分を浄化したり、ガマランという楽器のレッスンを受けたり、バリ舞踊体験などなんでも。企画があればセットアップします。もし、バリでこれがやってみたいということがあれば、セミナーという形で開いてもいいですよね。スペースはお貸しで切きるので、ぜひ実現させたいですね。

小口直子(おぐちなおこ)さん
ロミロミセラピスト  トータルボディセラピスト
 
オフィシャルウェブサイ
オフィシャルブログ    
※宿泊の客様で村のお祭りなどに参加、もしくは見学したいという方はお気軽にお声がけ下さい。
 

編集後記

取材場所にご主人といらした小口さんは結婚5年半。沖縄の石垣島でお仕事をしていたご主人とは、日本語、英語、インドネシア語、バリ語の4か国語で会話をなさいます。ただし、難しいことを話す時はお互いに英語なのだそうです。バリののんびりとした空気感を漂わせながら、静かにゆっくりと語ってくださいました。お話をうかがうほどに、バリに吹く風の心地よさがイメージできて、ハンモックに揺られながらお昼寝をしたくなってきました。今はバンブーベッドが主ですが、f♯からツアーを組んで訪れる時には、Rina’s Innのお庭にはハンモックが気持ちよく揺れているかもしれませんね。

文・山口幸恵   監修・太宰由起子

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